てすてっど(testedquality)県外の水産高校受験の記録

県外の水産高校受験を記録し始めて、勝手に水産高校と水産業を応援するブログになりました。

2022/06/03 2022年版勝手に紹介リンク作成しました。一部サイトでhttpのみの場合、そのままリンクしております。

九里よりうまい十三里は本当だった-埼玉県入間郡三芳町と三富地区

こんにちは。まだ緊急事態宣言が解除されそうにない埼玉県所沢市民です。この数年、ポケモンGOのついでに長距離の散歩をしています。単純に市内歩いてお寺やお城みて直売所の野菜買ってただけなんですけどね。所沢市にもお城跡が数か所あるんです。

そんな最近散歩で市内を超えて「埼玉県入間郡三芳町」まで出かけたらあまりに地形が面白かったんです。なぜ?!を解決するため帰宅して色々調べてたら歴史の勉強をすることになりましたので、今回はマイクロツーリズム的なお話をさせてください。

 埼玉県入間郡三芳町とは

三芳町は「みよしちょう」と読みます。関越道三芳パーキングエリアがあり、Googleマップでみると都内から30kmくらい。首都圏から一番近い町だそうです。東京駅からだと千葉市や横浜市と同じくらいの距離(下記左上の赤枠部分が三芳町)

https://goo.gl/maps/MDK5gpbf5Lyc1pge7

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町の公式ページはこちら。

www.town.saitama-miyoshi.lg.jp

この三芳町のトップの画像がこちら。そば、富の川越いも、ホタル、三富新田。川越というのは、江戸時代ここが川越藩の領地だったからですが特産地なんだろうということはわかりますが「三富新田」だけはちょっと毛色が違います。

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三富地区、三富新田とは

三富は「さんとめ」と読みます。もともとは上富、下富、中富という3つの町の総称です。現在は埼玉県西部の川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、三芳町の5市町にまたがる地域を指します。埼玉県のHPにある地図を引用しますが、関越道や幹線道路を含んだ地区であることが非常に分かりやすいですね。

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0108/documents/santometizu_2019.pdf

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三富地区の歴史については調べたところ県のHPが詳しかったです。

www.pref.saitama.lg.jp

もともと武蔵国と呼ばれるこの辺りは武蔵野台地で、関東ローム層により水が得にくかったそうです。その後江戸時代になり治水事業が徳川家のもと始まるわけですが、場所的に玉川上水からも荒川からも遠いんですよね三富あたり。前述のGoogleマップを見ていただくと場所的に一番近い用水が川越の新河岸川ですが4kmほどあります。

元禄7年(1694年)に川越藩の領地であると確定してから、川越藩主柳沢吉保が開発を進めたそうです。ただし川が近くにないので井戸を深く掘って水を確保したものの、水が枯れることも多く、川まで4km歩いて汲みに出かけてたこともあるそうです。このあたりの歴史は散歩で訪れた三芳町の文化財「旧島田家住宅」で習いました。こちら公開展示で、中で囲炉裏に火を入れてお迎えしていただけます。畑の大根収穫なども体験できるのですって。

当時の井戸も住宅横にありまして先ほどのお話も掲示されてます。

300年前の地割がそのまま残る農業

三富地域は県指定旧跡を受けています。これは前述の開発の歴史の跡がいまだに残っているからです。上記埼玉県HPより三富地域の歴史から引用します。

東西33町・南北20町の地に、1戸分約5町歩(約5ha)の耕地を短冊形に均等に配分することを決定しました。1戸分の間口は40間(約72m)、奥行きは375間(約675m)とし、幅6間(10.8m)の道路を通し、両側にそれぞれ屋敷・耕地・雑木林を短冊形に配置しました。

 

 上の文章をを絵にすると以下のような長細い土地となります。三富新田の「地割り」 - 埼玉県 (saitama.lg.jp) より引用。

三富新田の地割り

この「地割り」は水が少なく収穫が少ない点を広さで補うための方策だったようですが、現在この地域は埼玉県平均を大きく上回る1戸当たりの作付面積を誇ります。また首都圏近郊の利点を生かした近郊農業で収入もよく、40歳未満の農業への就労者が多いそうです。

またこの地域の農業の特徴として、毎年冬に雑木林や畑の落ち葉などの資源を集めて、たい肥を作って畑に撒くことを続けているとのこと。雑木林は畑のためにあるんですね。環境循環型農業を300年前から続けているこの場所は、現在「農業遺産」に認定されているそうです。

詳細はこの地域で保全活動をされている「さんとめねっと」さんを参照してください。

www.santome.jp

しかし長い土地ですよね。この畑のど真ん中を歩いて「地割り」を体感できる散歩コースが三芳町に設定されています。これを実際に歩いてみました。

歩いたのは三芳町散歩マップの赤い枠部分。sanpomap.pdf (saitama-miyoshi.lg.jp)より図を引用します。図の一番した所沢との市境から畑の中を突っ切るコースです。先ほどのイラストでいうと奥の雑木林から屋敷に向かうイメージとなります。

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地割りを歩く

スタート地点にあるのはこの看板のみ。矢印の方向は雑木林と一本道。

 

横の柵は工場なんですが、先が見えないまま歩いているとですね、いきなり畑のど真ん中にでるんです。

右は断続的に土ぼこりが舞い上がり(途中で前が見えないほどの強風の日でした)

左は整えられた畑が広がっています。正直看板なかったら、入るのやめてましたね。

さらに歩くとやっと次の看板が見えます。600m。地割りの長さからするとそれくらいあるのは当たり前なんでしょうが、所沢市内でこんな広い畑はみたことがありません。ホウレンソウが美味しそうに青々してます。

さらに歩くと屋敷がある位置まで到達。すごい絵の通りです!

このあたり本当に屋敷!という立派なものが多いのです。

到着したのは「いも街道」この道に沿って屋敷がつづき、十数件の農家が芋などの農作物、お茶などを販売しています。

こちらは直売所とカフェが併設された農家さん。右側の建物がカフェになっていて、ランチや焼き芋が食べられます。直売所の裏はもちろん畑です。

おしゃれなカフェ。私は「むさしこがね」という地域原産のおいもをいただきました。

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現在ランチは予約しないと週末厳しいですが、焼き芋は予約なしでテイクアウトできますよ。

ぜひ一度歩いてみてほしいのですが、近隣の方でないと難しいと思うので、三芳町の公式Youtubeの動画をみていただきたい。空からこの地割りを確認できますのでお勧め。 


三富新田

ということで、今回はマイクロツーリズムやってみたでした。海が恋しいけど近所も楽しいです。

testedqualityとはCowboy BebopというアニメのDVDボックスに描かれた造語から。多分品質検査済みって感じ。