てすてっど(testedquality)県外の水産高校受験の記録

県外の水産高校受験を記録し始めて、勝手に水産高校と水産業を応援するブログになりました。

2022/06/03 2022年版勝手に紹介リンク作成しました。一部サイトでhttpのみの場合、そのままリンクしております。

仙崎&萩旅行記 その9 最終回 地産地消とサスティナブルの間は遠いねぇ

こんにちは。前回書きかけで公開してしまいました。30分くらい気が付かなかったので、その間に読まれた方は分が途中できれたあからさまに書きかけな文章をお見せしてしまい大変申し訳ありませんでした。RTにテキストエディタのいいのあればなあ。いや、はてなブログのエディタでつい書いて「公開する」ボタン押す自分が悪なのです。すみません。

 

さて、萩旅行の記録はここまで。個人面談のついでではありますが、純粋な一人旅を生まれて初めて行った記録にもなりました。いや、就職活動とかはありますが、自分の趣味で一人旅は初めてでした。

その趣味で思いがけず考えたのが、水産業の今後。実は行きがけの飛行機JALの機内誌SKYWARD にてカナダ バンクーバーの特集が掲載されておりました。

JAL機内誌JAL SKYWARD7月号(http://www.jal.co.jp/inflight/skyward/201307.html)

そこで首都バンクーバーがサスティナブル(sustainable)な都市であることを推し進める活動がいくつも実施されているという話が目を引きました。サスティナブルとは日本語では「持続可能な」と訳されていますが、主に環境面で「将来の地球を損なわないような活動」を指します。雑誌で紹介されていた活動には以下のようなものがありました。

 

【100マイルダイエット】 ※ここでのダイエットは食生活という意味

100マイル=約160Km内で収穫・採取できる食べ物だけを食べることで、日本語なら地産池消が近いのだと思うのですが、大きく違う点があります。それは環境への負荷を考慮するときに運送に関する負荷を避けることも重要視しているのです。だから、ホテルの屋上など都市の中心部で野菜を育ててレストランで利用する、野菜の配送をすべて自転車で行うなど運送での2酸化炭素排出を極力抑える事を考慮しています。

 バンクーバーが2020年度までに世界で最も環境にやさしい街になることを目標にていることもあり、自転車優遇措置などが後押ししている活動です。

【オーシャン・ワイズ】

カナダ ブリティッシュコロンビア州の紹介文こちらをまずはご覧ください(http://www.hellobc.jp/british-columbia/blog/201211/aquarium.aspx

「オーシャンワイズ ocean wise」聞きなれない言葉ですが、これは2005年にバンクーバー水族館によるサスティナブルな環境保護活動から提案されたものです。活動に賛同した州の1件のレストランから始まったこの活動、いまではカナダ全州3100以上のレストラン、マーケットが参加しておりカナダ観光局も紹介しています(

http://mediacentrejapan.canada.travel/content/travel_story_ideas/vancouver_ecohealth)

 

行きがけの飛行機でこの2つを知った状態で、日本における魚販売の新しいビジネスモデルと注目されている「萩しーまーと」に関する勝川俊雄さんのブログ(http://katukawa.com/?p=5044)を見に行くってのは

「あなたしっかり勉強しなさいねえ」という神様の命令だと思いましたよ。

実際に萩しーまーとを見てきた感想は、旅行記その7(http://testedquality.hatenablog.com/entry/2013/08/10/011309)にまとめました。本当に、魚を買う喜びがあって、かつ実際に食べる段になった時もおいしいので2度楽しめます。魚の品ぞろえが特徴的ですし、八百屋や精肉店、ベーカリーや食堂までそろったコンパクトな店内は、30年前なら一般的だったスーパー風商店街であり、三丁目の夕日的なノスタルジーも兼ね備えています。すべての商品が値段も十分安く、観光客だけではなく、地元の人も来るというのは理解できました。鮮魚だけではなく、加工品や弁当などの調理品にも力が入っていて味もよかったです。

 

同時に、萩とバンクーバーの違いも身にしみました。正確には日本とカナダの違いです。

しーまーとは道の駅でありアクセスは巡回バスもありますが8割方は車で買い物に来ます。土曜日午前店内結構人がいたのに、30分ごとの巡回バスに乗ったのは3名と空いていてびっくりしたのです。すぐ後ろの魚市場にはトラックがずらりと並んでいます。近郊の都市への輸送はすべてトラック。これは日本各地ほとんど同じですよね。高速道路でつながった各地へ鮮魚が運ばれるわけです。【100マイルダイエット】に当てはめると160kmは福岡博多駅近辺。実際に萩は車なら福岡から日帰り観光可能な地区です。じいちゃんにも「送るぞ」といわれたくらいです。逆に車がないと行き先も限られる地域。ガイドブックなどには「公共機関を利用して移動する場合には、事前に時間を調べたうえ余裕をもって移動してください」と書かれています。

 

残念ながら、すべての魚を地元だけで消費する人口も観光客も今の萩にはありません。この点がバンクーバーと大きく違います。そして100マイル離れた福岡では、萩のしーまーとでみた地元の魚たちは全く売られていません。あるのは、ウニやふぐなどの特定の種類のみ。しーまーと的な良さを広める方策が一番重要なのだと思いました。

そして【オーシャンワイズ】こちらは、今の日本でやるのはきっと水産物を扱う業種が大変なことになるすごい仕組みです。が、世界では主流となっている水産資源管理の証明書の一つ。雑誌WEDGEのページが参考になりました。(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2594?page=1

日本にも環境に配慮した漁法で捕まえた魚につくマーク「マリンエコラベル」(http://www.melj.jp/) がありますが、有機農法エコマークなどと比較したら、ほとんど知られていないと思います。まずマークの魚をスーパーではみたことがありません。生協の取り扱いの魚介類で定期的に見かけるので知っていたくらいです。その上、マークの意味をきちんと知ったのはFRANEWSという雑誌を夏休みの図書館で見つけたから。こちら独立行政法人 水産総合研究センターが季刊発行していて研究発表などが掲載されています(http://www.fra.affrc.go.jp/

 

勝川俊雄さん著書にもありますが、日本に必要なのはこのような「持続可能な漁業を全国できちんと行うこと」だと思います。すぐやらないといけないのですが、水産物を扱う方々への打撃もかなり大きなものになります。ウナギ不漁にてウナギが手に入らず休業廃業するウナギ屋さんの例は象徴的な事例だとおもいますが、バンクーバーでも初めてお寿司屋さんがオーシャンワイズに参加したことがニュースになっていました(http://vancouver.keizai.biz/headline/543/)記事内では寿司ネタを大幅に変更し白身魚がほとんどなくなったと書いてあります。日本で急に「本日から寿司でこのネタは食べられません」というのは・・・多分無理でしょう。でもそこをやらないと日本人が絶滅させる品種がこれからも増えてしまうと思う。今日もスーパーの魚売り場に行きましたが、冷凍魚はほとんど海外産。干物も大きめのサバはノルウェー産が大半で、国内ものはその点小さいか高めなことが多く・・・萩だといいのたくさんあったのよねえ!

 

単純に子供たちに豊かな海を残したい。おいしい魚も食べたい。水族館も楽しみたい。だからできることをしたい。それだけなんです。なのに何でこんなに水産業を調べると辛くなるのかなあ。 昨日行った国立科学博物館での「深海展」深海魚の数々やしんかい6500などの実物模型などにはわくわくしたのに。

どんなことにもいい点もいやな点もあるとは思うんです。けどいやな点にも色々あるじゃないですか。マグロやウナギのの減少は人為的でかつ日本人わがままなんじゃね?という「とりあえず人間いたら食べる巨人」的な動物加減を感じるんです。今ドードー食べて絶滅させた人々と同じですもの。一方「とったから食べるさ」という意見それも命をいただく点では正しいです。がその前に取らないようにできなかったのか?その点をきちんともう考えて国で整備してほしいと心から思いました。

testedqualityとはCowboy BebopというアニメのDVDボックスに描かれた造語から。多分品質検査済みって感じ。