てすてっど(testedquality)県外の水産高校受験の記録

県外の水産高校受験を記録し始めて、勝手に水産高校と水産業を応援するブログになりました。

2022/06/03 2022年版勝手に紹介リンク作成しました。一部サイトでhttpのみの場合、そのままリンクしております。

うなぎの絶望、親の希望、水産業の未来

こんにちは。今日はe-statの調査と別の話をさせてください。私の昔話と水産業への思いです。

 

今週は水産業のなかではうなぎの終わりがついにネットの中で大きな話題となりました。 

ニホンウナギがどれぐらい終わっているのかについての図 - Muchonovski always get it wrong

正直に告白します。この1年一般家庭にこの事実を伝えるためにはどうしたらよいのだろうと、いつも考えました。でも積極的に伝えることはできなかった。今でもツイートに「私うなぎは食べないほうがいいと思います」と書くことを結構ためらってます。

2013年、土用の丑の日のコンビニうなぎ販売状況 - 日毎に敵と懶惰に戦う

なぜなら、日本人である以上大人は加害者ではあるわけですが、流通業や小売業に知り合いが勤めていて、その方たちがなおさら事実に驚くだろうと思うと・・・書けなかったです。disってる感満載ですよね。

 

このあたりの日本人の無知が水産業を駄目にしている状況は、三重大学 生物資源学部 准教授である『勝川俊雄 公式サイト』を子供の進路を決めることから訪問するようになって、悩んでました。

でも、勝川さんも自分が行動を起こさないといけないとおもってサイトに継続的に資料や統計をだしています。私も、子供が水産業を生業にしたいと思っている以上、自分から水産業を衰退させる、いや絶滅させる行動はできないと考えて、このブログを立ち上げました。

ただ、最初から悪い状況を流すのはひかれてしまうと思い、少しでも水産高校をめざす気持ちがあれば、選択肢の一つにしてほしいと思いました。そのためブログは水産高校や水産業のいいところ、未来がある点を探し出して伝える手段でした。

だから、若年層が平成15年から増加に転じている数値がでてきて本当にうれしかった。水産業は平均年齢60歳overの衰退産業であることが水産庁からことさらに訴えられていたから。

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勝川さんの著書『

漁業という日本の問題

漁業という日本の問題

は、ブログの記事をもとにした勝川さんの最新書籍で、ニホンウナギの終わりやヨーロッパウナギを日本人が絶滅させた話などはすでにまとめられています。また最近イカ釣り漁船のボイコットがありましたがその理由が燃料費の高騰だった件について、2008年度に同じことをやっており、それ自体が補助金に頼った甘えである点も掲載されています。

この本の帯が、今の日本の水産業のすべてを表していると思います。勝川さんのサイト、および本の内容がもっと一般に広まることを心から願います。

『このままでは日本の漁業は壊滅する。のこされた時間は少ないが、適切な資源管理を中心とした制度改革を実現すれば、補助金に頼らない、自立した、持続的に儲かる産業へと再生することは可能だ。』

 

 そのような衰退産業と知って、正直子供をわざわざ県外の水産高校に進学させることをためらったのは事実です。ただ誰かがそれを広めて変えないといけないと思った時、子供が海の生き物を相手にする仕事に就くことは非常に重要だと思ったのです。これは、自分の友人が20年以上前大学の進路を決めるときを思い出したから。

友人は言いました。

「俺、原子力学科にいく」

その当時九州では玄海原子力発電所が稼働しており、広瀬隆さんのチェルノブイリの本が話題で原子力は非常にネガティブなイメージでした。だから勉強を彼に習っていた私は疑問をぶつけました。

「なんで?あんたなら他の学科にもいけるじゃん」

「原子力は今から施設を維持するのに必要だろ?でも危険だ。誰もが嫌がる仕事だからこそ、誰かがやらないといけないんだよ。俺はそれをやろうと思う。」

その時の彼を、私は単純にすごいと思いました。だからそれ以上は言えなかった。彼の決心はそれくらい硬かった。

それから彼と私と友人たちは皆で勉強をし(通っていた学校から塾が遠すぎてみんなで学校で勉強をする方法を選んだのでした)彼は現役で原子力学科に無事合格をしました。そして今でも原子力系の会社にいます。もちろん、3・11の時もその後も仕事をしています。

今の水産業はきっと原子力産業と同じくらい状況が似ていると思う。だれかがやらないといけないけど、下手に補助金やしがらみにからめとられて必要なことをできてない。けど現場の方は必至に現状を守ろうとしている。だとすれば、みんなが変えようと思えば、何かは絶対変わると私は思ってます。そして、ブログをはじめてそう思っているのは私だけではないとわかったから。

少しでも水産業に明るい日ざしがさすように、できることを勝手にしよう。

このブログはそんな気持ちでやってます。だから、いろんな天然ものの魚をたべてみたり、ウナギを我慢したり、本物のばちまぐろを取り寄せでたべてみたり、ちょっとだけ水産業の今を知ってもらうために協力してもらえるとうれしいです。

 

testedqualityとはCowboy BebopというアニメのDVDボックスに描かれた造語から。多分品質検査済みって感じ。